アザラシ、積読本にドッグイアを発見する…
おいっす! 読書するアザラシだ!
八月から積読を崩し始めたアザラシだったけど、
秋だからすいすいページが進んじゃうぜ!
今月もすでに2冊読んじゃったぜ!
上下分冊のやつだけど!
で、今回読んだのはこの本だ!
若い読者のための世界史(上) - 原始から現代まで (中公文庫)
- 作者: エルンスト・H・ゴンブリッチ,中山典夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/04/21
- メディア: 文庫
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若い読者のための世界史(下) - 原始から現代まで (中公文庫)
- 作者: エルンスト・H・ゴンブリッチ,中山典夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/04/21
- メディア: 文庫
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若い読者のための世界史…!
アザラシが若いかどうかは別にしても、この本はとても読みやすい!
ほんとにすいすい読めてしまうのだ!
なんでこんな本が部屋の隅に積まれてたんだろと思いながら読んでいたけど、
なんでページの端がときおり折れてるんだろうとかも思ったりしながら読んでいたけど、
上巻まで読み終えて、下巻に手を伸ばしたときに一つの疑惑にぶち当たった。
もしやこの本、読んだことある?
実はアザラシには気の利いたフレーズとか、エピソードとかをノートにメモする癖がある!
そのノートの中にこんなエピソードがメモってあった!
16世紀のこと、偉大も偉大な皇帝カール5世は広大な国の統治と度重なる戦争に疲れ、沈まぬ太陽を持つ帝国を捨てて修道院に隠遁しちゃう。その修道院では時計を修理して過ごしていたという。で、時計修理は難しいわけで、時計が直らなかったりするときは皇帝はこんなことを呟いてたらしい。
「数少ない時計でさえ合致できないわたしが、帝国すべての人間を統一させることができるはずがないではないか」
下巻の61ページにこのエピソードが載っている!
ほぼこのまんま!
アザラシは自分のいいようにメモっているのでちょろっと違うけど!
違うけど、どう見ても一度読んで感銘を受けている!!!
なぜ積読本の山に一度読んだ本を放ったのかは、永遠の謎だ…
さて、どうやら一度読んだらしい本だと気がついたアザラシは読むのをやめたのかというと、やめなかった!
最後まで楽しんで読みきってしまった!
そう、この本は一度読んでも楽しめるくらいに読みやすい!
内容はだいぶヨーロッパ史よりの視点だ。たぶんマヤ文明のマの字も出てこなかった気がする。日本も最後のほうにちょろっと出てきただけ。なにせ、書かれたのは1935年のことなのだ! まあ、それなら仕方がないと思える。
それでもなお面白いのは、お話の中で歴史上の人物たちがイキイキと動いているからだ!
そう、小説の登場人物みたいに!
あと、語りかけるような文体も非常にいい!
けど、どうしてこんなに読みやすいの? 何か裏でもあるんじゃない?
それを解くカギは、献辞にある!
『きみはいつも耳を傾けてくれたね そのとおり書くよ』
との割とナゾな献辞がイルゼさんに送られているけど、そのイルゼさんというのは著者の奥さんらしい。どうやら著者はこの本の原稿を将来の妻に語り聞かせていたという。しかもウィーンの森で!
こうやって献辞を送るほどに、その朗読の時間は子供でも読みやすい本を目指していた著者にとって、とても重要な時間だったにちがいない!
そう。愛する人に語りかけるときほど、優しくなれるときはない!
なので、この本はとても読みやすいのだ!
という感じのことが、なぜか最後のほうに載っている『2005年版の序言』に書かれていた!
年代とか史料とかを気にして史実を細かに検証していきたい人にはちょっと向かないかもしれないけれど、おおまかに歴史を楽しみたい人にはかなりおススメできる!
『若い読者のための世界史』、あなたも読んでみては!?
(ω・ミэ )Э